8日晩より、風雨共に強くなり始め、明け方は更に激しく!!
「こりゃ、釣りどころじゃない!雨漏り大丈夫〜!?
屋根飛ばされないか〜!?」
と、心配しつつ明け方まで、遅れている竿作りを。
「やれやれ、抜けたいみたいだし、様子見て寝るか」
「旦那さん、お目覚めですか?」
「はい、とうに。顔洗って、美白中ですが」
「あらあら、今更な気もするけど」
「オレも思う。が、これは娘の指令なんで」
「へぇぇ。じゃあ、行きますか?」
「はっ、いずこに?」
「イオン!映画よ!『引越し大名』!」
「はは、御意のままに」
「もっと笑えるのかと、思っていたわ」
「充分な気もしたけど」
「まぁ、実話にのっとって、だからねぇ」
「えっ!?実話なの、外様じゃねぇだろ?」
「そうよ『松平さん』、つまり徳川家一門。譜代の上なのにねぇ」
「優秀なのか?その反対なのか?はたまた、単なる引越し好き?」
「元禄時代の事で、周りから『引越し大名』って、あだ名されていたそうよ」
「そのまんまかい。笑えないお話しだね、ご当家にしたら」
「ホント。旦那さん、ビーサン買えば」
「なんでまた、突然」
「限界じゃないの?」
「そうねぇ、薄っぺらくはなったね」
「鼻緒(ハナオ)だって、ヒモじゃない」
「この手のビニールっぽいのはさぁ、すぐ切れるんよ。
よって、すげ替えたわけ」
「あらあら、好きよね、そういうの」
「はい、発想力ですね」
「大好きな、ムラスポ屋さんなら、いいのあるんじゃない?」
「おお!久しく行ってない。危険だからな、不用意に近づくの」
「欲しいものだらけなんでしょ?」
「です!」
「外には、ポックリみたいのばっかり」
「ポックリ?ああ、クロックスかい」
「あの子に聞いてみる。あのね…」
「ウワッ!店員さん入れ替わって、若い人ばっかじゃん」
「こっちだって」
『ご希望のタイプだと、少しお値段が』
「高いの?」
『はいぃ、『ビラボーン』とか『クイックシルバー』で…』
「だいじょぶ、だいじょぶ、この人にとって『ビーサン』は、
正装だから」
『はは』
「旦那さん、見て、好きなのあるから」
「どれどれ、ああ、これかな」
「そうねぇ。ヘロヘロのじゃない、もう一つの『DC』ってのと、
同じ作りね」
「だよ。『DC』は『クイックシルバー』の傘下なんよ、今は」
「ああ、だからねぇ」
「この鼻緒だと長持ちするよ」
「『ビラボーン』とかじゃなくて良いの?」
「はい。サーファー時代に憧れたブランドですから」
「大昔ね」
「うぅ〜ん、40数年前かな。あの頃はハワイの会社と思ってた」
「違うの?」
「オーストラリア。当時『マーク・リチャーズ』さんって、
オーストラリア人プロを、サポートしていたような気がする」
「へぇ」
「この人、腕っこきのプロで、氏のボードにフィンが2枚付いてて
『オレのと違うけど』…」
「これで良いのね?」
「あ、はい。(興味無しなわけね、マークさん話は)」
「まだ見るでしょ?アタシゃ、外にいるから」
「はは。では、ありがたく店内探索を」
「あらぁ、もういいの?」
「見ない方がいい。目の毒。欲しいものだらけ」
「顔見知りの店員さん、いたの?」
「いや、休みなのか、転勤したのか?」
「じゃあ、ウキまくりね」
「はい、年寄りには、場違い感満ち溢れ!でした」
「あらあら、それは、いまだ現役なのにね」
「是非もなし。若者の集うトコ、ってわけだわ」
と、ご褒美のビーサンいただき、有意義(?)で、
めでたしめでたし、な一日でありました(笑)。
が、家に帰って、ニュース見たら、
「見て見て!たいへんよ!千葉の方」
「ホントだ〜!電柱倒れてる!」
「家も壊されちゃってる!」
「さっき、松戸市のお客さんから『釣れたよ』とは、
連絡あったけど、被災の話しは無く、こんな事になってたんだ」
「どうも、場所によるみたいよ」
「『少し東寄りを通過』って聞いてたけど」
「台風抜けて、暑くなったところへ、停電、断水」
「『めでたしめでたし』なんて言ってちゃあ、申し訳ない!
ホント、お気の毒としか言いようがない」
「そうね、当初のコースだと、この辺を通過だったから、
逆の立場だったかも」
「自然の力は恐ろしいよ」
「まったくねぇ、どうすることもできないし」
とんでもない事が起きてしまいました。
一刻も早い復旧を願うばかりです。
アッチャ〜!!