「到着〜、尾瀬戸倉でございまする〜」
「意外に近かったです」
「おお、そりゃ良かった。オレは初めて来た時『なんでこんな遠うくまで』って、思ったよ」
「あっ、トンネルのせいじゃない?」
「そうだわ。トンネルのおかげで、20分は早くなったし、運転も楽になったから」
「そうなんですか、僕たちは初めてなんで」
「だよね。じゃまぁ、チャチャッと着替えてまいりますか」
「はい」
「婦人は、娘が更衣室へご案内。頼むよ」
「ラジャ〜」
「上ちゃんは、オレとここで全裸に」
「えっ〜!?」
「失礼。半裸?かな。ま、とにかく、ここで着替える」
「わかりました」
本日の登場人物
上ちゃん。 「お手柔らかに」 「任せなよ!」 |
上ちゃん婦人。 「念願の雪山です」「ついに来たね!」
|
私。 「雪が少ないのが、心配だ」 |
娘。 「去年は、たったの1回。今年はもう少し…」 |
「降雪って、予報だけど、降雨って、気がしないかい?」
「はい、温かめですね」
「雪になるのを願いつつ、先ずは、スクール受付行くべ」
「はい」
「おはようございます。スノーボードスクール、お願いしたく」
『あっ!えっ?…』
「ガッハハハ、オレじゃなくて、こっちの2人です」
『あ、あ、ありがとうございます。では、こちらにご記入を』
「じゃ、リフト券、はい」
「ありがとうございます」
「あぁ、オレのだけシニアと書いてある」
『いいじゃないですかぁ、安くなってぇ』
「なんだけどねぇ、チョイ、恥ずかしいんだよねぇ」
『えっ?どうしてです?』
「なかなか、いないんで、シニアボーダーって」
『ご安心ください、最近は増えてきましたから』
「それは、頂上。じゃ、2人を、お願いします」
『はい、9時から楽しみましょう』
「よ〜し、それまで、激しい準備運動すっから、覚悟しとけよ」
「えっ〜!」
「2人はスクール中、今がチャンス!ガンガン行くか?」
「いや、あたしゃ、今季初なんで、ヌル〜く、で」
「確かに。じゃ、それで」
「やってる、やってる、ほら、あそこ」
「おお、ガンバレよ〜」
「フウ、なんだかんだ言いつつ、ガッツリ!やっちゃったんじゃね?」
「うん。足が休めって、言ってるよ」
「ちょうどいい、スクール終了時間だし、練習コース行ってみるべ」
「あっ、いたいた、どうですかぁ?」
「あ、はい、ちょっと」
「疲れた?じゃ、早メシにするか?」
「あ!いいですねぇ、ぜひ!」
「決定!メシの後、口では言えない地獄の特訓!!」
「エッ〜!」
「ガッハハハ、冗談だね。ヌル〜く」
「はい、お願いします」
あとがき
「おつかれ〜にするかい?チョイ早ぇけど」
「あ、はい、それで」
「上ちゃんは、まだヤリてぇだろ?」
「実を言えば」
「だよね、いいとこまで、きてるもんねぇ」
「はい。なんか、もう少しで」
「曲がれるよね、連続で」
「はい、そんな気が」
「でも、婦人がなぁ」
「はい、きょうのところは、このへんで。本人も十分理解したので」
「なるほど、今までの『ツケ』を」
「はい。それです」
「なめてました、ハッキリ言って」
「やっぱり。ま、まぁ、これを機に、色々と改革してサ!」
「はいぃ」
「社長、すみませんご迷惑で」
「いやいや、スクール中に楽しめたし、オレは、あした、あさっても、あるから」
「そ、そうでした。大丈夫なんですか?」
「この時間に上がるんなら、楽勝だよ。あしたは、部長が運転するそうだし」
「安心しました」
「ご心配無く。年寄りは、後で来るんだよ、疲れが」
「イヤイヤイヤイヤ、社長に限っては、そんなこと無いです」
「ガッハハハ。ヤバイのは、あさってだねぇ。うっかり、部長に付き合っちゃうと」
「それは?」
「うまくなってるのよ、部長もさ。オレは3日目って、キツク言わないと」
「ヤバイ!わけですね」
「それ。調子に乗られたら、オレも婦人と同じになる」
「イヤイヤイヤイヤ!社長は」
「ならない、って?わかんないよ〜」
「大丈夫です」
「んじゃま、帰りますか」
「はい、ありがとうございました」
「父、夕飯は?」
「もち、バーミヤン」
「ヤッタァ!」
「よ〜し、バーミヤン目指して、帰るぞ〜」
「チョット、おおげさじゃね?父」
「おお、そうか、じゃぁ、帰るべ〜」
「そんなもんで」
「『部長と丸沼』編も、お楽しみに〜」