「こんにちわ〜」
「よう!栄ちゃん。サボリーマンかい?」
「失敬な。ご注文品を納品に、きたわけですよ」
「こりゃ失礼!!スマンね、極少注文なのに」
「イエイエ、とんでもないです」
「ちょうど良かった、他にこんな物、無いかい?」
「はぁ?」
ワイワイ、ガヤガヤ、ワイワイ、ガヤガヤ
「ありがとうございます。早速、手配しますんで」
「助かるよ。コマゴマと動いてもらえてさ」
「イエイエ、仕事ですから。ときに社長、最近はスッカリ、フライマンですね」
「そうなんだよ、八郎の後は。でも、10月3日はバス!」
「随分と、先の話しですね。実は、お願いが…」
「ナンザンしょ?できる事なら、お手伝いしますよ」
「はい!ヤマメかイワナを釣りたいんですよ、フライで」
「なぁ〜ンだ、そんな事かい。今なら楽勝だよ」
「ホントっすか?」
「御意。ただし、キャスティングが出来るならば?の、話だよ」
「たぶん、大丈夫です。コッソリ練習してましたんで、その日のために」
「『あしたのジョウ』みたいじゃん」
「解んないと思いますよ、それは」
「そうなの?超有名なのに…」
「で、行く日なんですが、お盆の後ならいつでも大丈夫です」
「オレは全然平気だよ。いつでも来い!だから」
「いえ、先程奥さんが言ってたじゃないですか、お盆はナンとか…って」
「ゲッ!そうであった。じゃ、その後で。ヤマメの川なら、広くて投げるのも楽だから、先ずはヤマメからで良いかい?」
「ぜひ!!」
本日の登場人物
栄ちゃん 「アブラビレの有るヤツが…」 「まかせなよ」 |
私。「きょうは、ガイドに専念するから」 |
「栄ちゃん、やっと来られたね」
「はい、まったくです」
「雨、雨、台風、雨、台風、泣かされたね」
「ホントですよ。来ない来ない、って言ってたら、台風連荘ですから」
「呼んじゃったんじゃね?だれか」
「はい、社長ですね。雨男ですから」
「う〜ン、否定は出来ないなぁ、スマン」
「8月に決めたのに、ここまで、延び延びになりましたけど、来られたんで、問題無しです」
「それは、釣れてからの話だろ?」
「釣れますよね?」
「まぁ、たぶん、おそらく、運が良ければ…」
「社っ長〜!!」
「栄ちゃん、オレ大事なモン忘れた。リールとベスト」
「マジっすか?じゃ、どうしますか?」
「ルアーの道具は一式持ってきたんで、本日はルアーマンで」
「いいんですか?それでも」
「オレの、初・疑似餌釣りは、渓流で
のルアーなんだよ。初心に返るだね」
「そうだったんですか?知らなかった」
「聞かれないから、言った事も無いしね」
「交代しながらやりましょう」
「なに?釣れたら交代かい?」
「はい、そうですよ」
「釣れればなぁ」
「社っ長〜!!」
「栄ちゃん、キャスティングが、”サマ”になってきたよ」
「はい。自分でも、なんとな〜く、そんな気がしてたんですよ」
「おお、そりゃ結構!あとは釣るだけ」
「はい!グァンばりマッス!!」
「イヤイヤ、そんな力入れずとも、楽にね。先は長いから」
「フンフン!フン!!!」
「山田クンだな、こりゃ」
「よう、一服した方が、いいんじゃねぇの?」
「・・・・・・」
「無中のようなので、オレは飯を食うかな」
モムモム、ゴキュ、モムモム、ゴキュゴキュ
「う〜ン、うまい!たまんないね」
「あっ!あっ!あっ!あ〜!!」
「なんだい?ターザンでもいたかい?」
「つ、つつ、つ…」
「今度は、モールス信号かい?」
「つつ、つれつれ」
「つれつれ?徒然草?ここまで来て、万葉かい?」
「ち、ち、ちが」
「茅ヶ崎?オイオイ、ずいぶん話が飛んじゃったけど」
「あぁ〜ン、違いますよ社っ長!これ!」
「じぇじぇじぇじぇぇ!釣れたの?しかも、イワナ!」
「ヤマメじゃないんですよね?」
「イワナです。放流していると書いてあったけど、今年ここでは初だよ」
「ついに釣れました、アブラビレの有る魚!」
「なかなかのサイズだし、よかったねぇ!」
「栄ちゃん、スゴい汗だけど、生きてる?」
「はい、なんとか。かなりテンパってますが」
「社長は平気なんですよね?」
「まぁね、ここまでは。この先は解んないけどさ」
「エッ!きついんですか?これから?」
「ジェ〜ンジェン、楽なもんだよ」
「あ〜よかった」
「安心したところで、休憩どうよ?」
「あっ、そうします」
「元気ですか〜!?」
「だぁ〜」
「ダメっぽいね。この先も良さげなんだけど、もしかして、終了?」
「は、はい、それも有りかと」
「がっははははは。是非も無し!上がるべ。がっははははは」
あとがき
「お疲れ〜、栄ちゃん」
「はふ」
「がはははは、5時間ヤッてたからね『はふ』ってなるよ」
「はふ」
「お湯わかしたから、ラーメン食べて、コーヒー飲んで、楽になっちゃいなよ」
「はふ」
「どう?爽快?」
「はぁいい!そりゃもう!!」
「復活したねぇ。じゃあ、この先も行く?」
「はふ」
「あ、行かない…のね。終了ね」
「はい!大満足でっす」
「おおいに結構。オレも釣れたし、いい日になりました」
「はい、とっても。しかしですね、疲れました」
「だよね。歩きにくい中、半日ヤッてりゃねぇ」
「でも、今年はフローターで、鍛えていたんですよ。足も筋肉付いて、自信が有ったんですけど」
「がっはははは、筋肉に頼り過ぎ。要は、バランス。軽やかにねぇ」
「はふ」
「20年ぶりっしょ?無理も無いよ。でもさぁ、すぐ慣れるから」
「はぁい、チョット、イヤ、そうとう楽しくなっちゃいました」
「でしょ〜、今ヤッてるバス釣りと近いしね」
「そうなんですよ。ポイント見つけて、投げて、で、うまく流す」
「ねぇ、ヤル事多いから」
「来週迷っちゃいますよ、バス?ヤマメ?って」
「いい悩みじゃね、なかなか無い。なんなら両方かい?」
「あっ、朝イチにヤマメやって、その後、山下りてバス?」
「です」
「欲ばり過ぎっす。それに、『はふ』って、なりますから」
「がっはははは、だね。ここは、1月上旬までできるから、バスじゃね?」
「ううううう」
「今、悩まなくっても、さ」
「でした。チョット心配なんですよ、天気が」
「まぁね。雨ばっか。8月9月は、1回づつだけだったよ、釣り行けたの」
「でしょ。社長ナニしてたんです?」
「家中きれいにしてたよ」
「だけ?」
「オ〜イ、山田クンじゃないんだから、デ◯っちゃっては、いないよ」
「あははは、ですよね。じゃあ?」
「これ」
「あっ、作業場の椅子が」
「はい、ドレアップです。30年ものだから、修理もかねて」
「社長は変わらずですねぇ」
「なんだい?元気?ってかい」
「はい。還暦になったでしょ」
「はぁ、なりたくなくても、順番で。栄ちゃんをはじめ、方々からお祝いもらっちゃたよ、これも」
「スケートボード!スゲェ」
「片山君から、名前書いてあるプロの人が、バス釣り大好きなんだって」
「アメリカですねぇ。で、こっちのは?」
「ルアーね、上田君のお手製」
「すげぇ!で?」
「うん?結果?それは、これからのお楽しみ、17日だよ」
「イイっすね!」
「はい、とっても。じゃぁまた来週〜」