2日目

「社長、なんでまた回転寿司へ?」

「ぺ君、イイ質問ですね」

「それ!わかります、池上さん」

「です。17、8年前かな、取材でココ来たんよ、O下さんと西牧旦那で」

「へぇ」

「いつもは『ピットイン丼丼』って、焼き肉、丼物のお店に行ってたんだけど」

「気分転換です?」

「そんな感じ。で、入った回転寿司店の、うまさに驚いた!」

「それが、きのうの店だったんですね」

「と、思うよね。実は、ぜんぜん違った」

「はぁぁぁ!」

「値段からしたら、充分、いや、良心的だったけどな」

「ですね。変っちゃたんですかね」

「だろうね、月日の流れだよ」

「流れときたら、西牧さんですよ!」

「あぁぁ、聞いたよO下さんに。キャンプ界のカリスマだって」

「そうですよ、インスタグラム(こちらから

のフォロワーは、1.1万人超えですから」

「へぇ、スゴイね。オレの100倍だ」

「社長も頑張ってください」

「ダメだろう『ガンバレルーヤ』の反対、『ガンバラネェ~ヤ』だから、オレ」

「きのうは頑張ってたじゃないですか。反応多かったでしょ」

「釣れたんで、やってみたんよ。反応多かった理由は、

バス以外にもあったのよ」

「なんすか?俺すか?」

「なんで?ぺ君なの、コレだよ、このTシャツ」

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「あっ!『バック・トゥ・ザ・フューチャー』社長の大好きな」

「だよ。ちょうど、テレビ放送があった直後でさ」

「そこですか、アヒャヒャヒャヒャ〜」

「よって、日替わりで着る!」

シャバン

「おお!なんか出たぞ!」

「マジっすか〜」

「スゲェ引く!ウォ〜!」

「デカイ!社長、すくいますよ」

「あっ!バレた。ヒュゥゥゥゥ、ヘロヘロヘロ〜」

「もったいねぇ、デカかったのに」

「だよなぁ。朝イチから、こんな、バッシャバシャの中、

反応してくれたのになぁ」

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「ルアーは?見た事無いような」

「『見た事無いって!?』たわけ!!

信頼のブランド!メガバス社製『i-WAKE』店にあったろ」

「アイ・ウエイクですね、よく見て回ります」

「飛ぶし、シャラシャラ、ウネウネで、こんな日にゃ最適だべ」

「カラーも社長の大好きな」

「はい!チャート。しかも、ギラギラよ!」

「自分がギラギラしてきました。もう一周しましょうよ」

「承知!反対側の風裏やって、再挑戦な!」

 

「ぺ君、残念でした。2匹目のドジョウならぬ、バスはお留守で」

「帰りに、またやりましょう」

「あぁ、静かだったらな」

「今、バッシャバシャだから、夕方はし〜んとしてますよ」

「反応もシ〜ンだったりして」

「社長!やめて!そういう後ろ向きなのは」

「おお、そうだわ、失礼。だけどよ、風裏の上流がコレだで」

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「さっきより、ぜんぜんイイじゃないですか」

「イイねイイね、ノーテンキなぺ君」

「ハイ、釣れちゃいますよ」

 

「よう、ノーテンキ・ぺ君。雨宿するべ、アタリねぇし」

「あっ、そうっすね、お茶しますか。橋あるし」

 

「ホイよ、『船上カフェ・ノーバイ』厳選のホッツカフィー」

「あざす」

「ときに、社長、本日のTシャツは」

「第2段は、コレだよ」

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「肉ジュバンみたいっすね」

「オメェ、難しいこと知ってたネェ、えらいえらい」

「なんか、語りが『プレバト』の夏井先生みたいですよ」

「『八郎の バス釣り厳しい 朝ダウン』季語はダウンね」

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「ほう…コレは?」

「バス釣りパラダイスだった八郎潟も、いまや、面影薄く、

心も寒々。そして、今朝は雨、風、低温、でダウンまで。

そういった、いかにも、寂しい一句だな」

「ホント、やめてください、そういうの!

だいたい、ダウン着てないし、プリントじゃないですか」

「ガハハハハ〜、ノせっからだよ。このシャツは、

マーティーが着ていたのを、マンマ印刷してある」

「あったかそうですよ」

「だろ。きょうの天気にピッタリ。でも、印刷だから、

本物のフリースにレインジャケット。6月もなかばなのにさ」

 

「聴いたかよ?ラジオからの天気予報」

「聴きました。ヤバそうです」

「今の予報が当たったら、転覆するで。今回の船は10フィートだから」

「ですかぁ?」

「聴いたろ?大雨、雷、洪水警報に、竜巻注意報って」

「来ますか?」

「おいおい、来てからじゃ遅いだろ!」

「そうですね。ただぁ、アタリがあるんで」

「実は、そうなんだよなぁ」

「社長、4匹かけましたよ。うらやましい」

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「はい。そして、全バラシ。

ハリ、3カ所も付いているのになぁ」

「ダサくないですか」

「きょうも、ビックリあわせしたヤツに、言われたくない」

「釣れなかったのは、一緒ですよ」

「クゥゥ、イタいとこつかれた」

ああ!

「あれ?釣ったのぉ」

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「ハイ!『カトスペ』で釣りました」

「『おスペ』じゃなくてか?うぅんと、45cmだ」

「その『おスペ』ってなんです?」

「あぁぁん、吉原行って、お願いしてみなよ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、そっち系ですか。

自分、新婚なんで」

「じゃぁ、新妻にな!」

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「ぺ君、きのうは24cmだったけど、本日は45cm!

もう、いいだろ?戻ってよ」

「はい、そうしましょう。と、訂正が一点」

「なんだべよ?」

「きのうは24cmじゃなくて、30cmです」

「どっちにしても、敗者」

「ですが、気持ち的に」

「おお!見てみ!ここでこの波じゃ、船下ろしたあたりは、

強烈だで」

「はぁ、青空で雨はなさそうです」

「青空の下の方見なよ、入道雲あるだろ」

「入道?はて」

「積乱雲のこと、雷雨くるで、風向きこっちだし」

「急ぎましょう」

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「コリャひどい!予想以上だ!ぺ君、動くなよ」

「ハヒ」

「船下ろし地点までは無理、その辺であげる!!

 

 

あとがき

「うぅぅ、危なかったぁ〜、お疲れ様。

車とってくるから、片付けていてくれ」

「わかりました」

「よお、釣れた?」

「こんちわ。はい、ツレが」

「アタリは?」

「ポツポツありましたよ」

「本湖、行きました?」

「いえ、無理です。この船ですから」

「あしたもここで?」

「いえ、チョイ上の広い川で」

「あそこねぇ、どうすれば釣れるの?あの川で」

「がはははは、そんな、地元の方に聞かれても。逆ですよ」

「ほんと、釣れなくなっちゃったよねぇ」

「河口に行かないで、橋の上下だけやろうかと」

「トップなんでしょ?」

「ですね」

「ムゥゥゥ、楽しんできてね、気をつけて」

「はい、ありがとうございます」

 

「時間食っちゃったな。話してたし、車まで200mだし。

へ〜い、お待ち…って、ぜんぜんかよ」

「お疲れです」

「よう、ズンズン撤収するぞ!」

 

「フウウ、撤収完了。予報はずれたのかい、風はひどかっったけど」

「そのようです」

「よかったよ、はずれたんじゃ」

「社長、これから来るみたいです」

「そば屋の出前か『今、出ましたからぁ』ってか。あしたが心配じゃん」

「ダメっすか?」

「そりゃぁ、お天気しだいだろ。

夕飯しながら、作戦練り練り、練馬大根」

「サンルーラル の中華ですね」

「御意のままに」

「・・・」

「あぁぁん、勝者殿のお好きなように、だよ」

「決定ですね、今年はどうすかね?」

「変ってねぇと思うけど、儀式だかんね」

「はい、楽しみです」

「はたして…」

つづく