奥方
『旦那さん、行くの?』

「ハッ?どこへ?!」

奥方
『釣り釣り、行かないの?』

「行くよ、歯痛治ったし」

奥方
『ひとり?』

「あう。お一人様でございます」

奥方
『あらあら、それはそれは、お寂しい』

「いやいや、一人遊びには、慣れたんで」

奥方
『あ、そうなの、じゃねぇ』

「相変わらずのやり取りです、奥方とは。はたしてコレは『会話』と、言えるのかぁ…。
あぁ、いかんいかん!危うく、余計な事言いそうになった」
「やった!だ~れも、おらんウ~タン」
シ~ン
「ウププププ…。おやじギャグとばして、自分でウケる。まずいなこの流れは」
「そんなの、さておき、抜群の渓相。釣れないはずが無い」
「おっかしいなぁ。まったく、反応が無い」
「必殺のボウボウフライも、飛んでいたカディスみたいなフライにも」
「しかたない。ルースニングやってみっか」
し~ん。
シ~ン。
「な~んにも起きん。まいったな、200mを3時間掛けたのに」
「おっ!本物のフライが流れてきた、注~目!!」
じ~、ジ~、じ~
「と、ガン見するも、静かに去って行きましたとさ。チャンチャン」
「帰る!魚いない!ライズもぜんぜん無いし」
「とは言え、帰りながら、ついついヤッてしまう。つり人の性」
「チェ~、やっぱり無反応。下りだから、もしや?ってのも、勘違いで」
「腹すいたし、ガッツガッツ喰って、考える」
「うぉ~!寝てしまった、しかも2時間!」
「あれ?雨降ったのね、寝ていた間に」
びゅう~ん、ぴゅ~!!
「すんごい風。こりゃ無理だは、ここじゃ。
そっち、こっち、見ながら、帰るか」
「おっ、無人駅発見!のどかだねぇ、この風景は」
「れれっ!あれに見えるは、えさ釣りマン。ここでぇ!?」
「こんな時は、即!検索。『って、誰?』と、一人ウケしている間に、 結果が」
「う~んと、ナニナニ…。なぁ~るほどねぇ、そういう事だったんだ」

あとがき
7日の歯痛に耐え、15日は最終スノーボードに付き合い、 そして、最難関21日の奴隷もこなし、満を持してのフライ釣行。
嗚呼、それなのに、それなのに…。なんか演歌っぽい。
可能であれば、「ハードロック調」で、ギンギンに!と、願っておりましたが。
しか~し!来週はギンギンでしょう、検索しちゃったし。
漁協さんによれば、「鳥対策」で、『渓流域』よりも『清流域』に放流済み。
とのこと。しかも、ヤマメの成魚を。
「こんな所で、ヤマメ?」ってなくらいの平野部で。
こっちとしたら、行くの楽だし、言う事無し!
よっしゃ、今からギンギン!!
フライ巻き巻きに精出して、『変~身!フライマン』
はたして、その結果やいかに?!
お楽しみに~!!
じゃあ、また来週。」