「ヤァ〜、ペラ男さん」

「おはようです、社長」

「どっか行くのかい?」

「はぁい、ちょっと、丸沼スキー場に。乗っけてってくれます?」

「いいよ〜!うっすら雪もあるんじゃね?」

「社長、もういいでしょ、ここらで。ワドナですよ、きょう、これから、一緒に」

「つかみはOッK牧場!?」

「ええ、充分ですから、早く行きましょっ」

「おお!」

「コンビニ寄りますよね?」

「もっちのロンで、1000点です」

「社長、行きましょ、早いとこ」

「麻雀話しもノッテくれないんだ。あれ?ガソリン無い!」

「ええ、どう見てもメーターはF、満タンですね。

社長、ホント、行きましょ、早く」

「よっしゃっ、キミのハート鷲掴みしたところで、行くよ〜」

「やれやれ、ですね」

「お疲れ〜」

「いやいや、これからですよ。『お疲れ〜』は12時間以上先ですから」

 

 

本日の登場人物


薄いペラ男さん

「毛針巻いてこなかったんです」

「オレも」

「ええ!もらおうと思ってたのに」

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「必殺はあるよ」

「あぁ、いいです、いらないです。ボウボウフライでしょ」

「後悔すんなよ〜」

 

「着いたよ、貸し切りかいな?」

「ええ、たいていがそうですよ」

「最近はお客さん入っているらしいよ」

「マジっすか!でも、土、日、じゃないですかね」

「あっそうだね、月曜だかんね、きょうは」

「あれ、お出かけ中ですね、『釣りしててください…』と、ありますから」

「チャリでかい?どこ行くのよ?」

「買い物じゃないすか?」

「店あったっけ?チャリで行ける範囲に」

「無いけど、チャリ好きは、どこまでも行きますよ」

「そだねぇ〜、カーリング娘〜」

「社長、そのテには乗りませんよ。俺は釣り開始っす!お先で〜す」

『おお!社長!いらっしゃい!』

「ごぶさたでした。居たんですね」

『はい、チョット上で用足しをしてまして、すぐ行きますから』

「居ましたね」

「だね。チャリじゃさぁ、いくらなんでもよ」

『ああ、すみません、お待たせで』

「いえいえ、勝手に釣りしちゃうべ、って話してたんで」

「社長、チョイ違いますよ」

「何がよ?ペラ男さん」

「いつものごとく、勝手に話しが脱線して、サッパリ釣りが始まんない」

「ま、儀式というか、行事と言ったらいいか、はたまた、習性かい?」

「おいくらでしたっけ?」

『はい、4000円です』

「はい、じゃこれで。社長、行っちゃいますから」

「完全な無視だよ。んじゃま、オレも行きます。はい、4000円」

『ありがとうございます。楽しんでください』

「承知!!」

 

「いっぱいいるねぇ」

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「はぁい。俺すでに1匹釣りました、ルアーで」

「あれまっ!つむしが鳴いている〜♪♪ チンチロチンチロチンチロリ〜ン♪♪

はい、続けてご一緒に〜♪♪ チンチロ…

「よっしゃっ!いっただきぃ〜」

♪♪ チンチロチンチロ…♪♪

「あっ!バレた!」

♪♪ チンチロチンチロ…♪♪

「社長、鳴き真似してないで、釣りした方がよくないですか?」

 「だよね。オレもそうじゃないかなぁって」

「ええ、釣り場に着いた、釣りする、普通ですよ」

「普通人じゃないみたいじゃん、オレ?」

「チョッチュネェ〜」

「おっ!具志堅さんできたか『偉大なるチャンプ』と、

知っているかね、若者たちは?」

「どうでしょう?俺もギリギリですから」

「いいねいいね、ギリギリガールズ」

「またわかんねぇ話しは…あれ?どうしました?」

「し〜、だまっとけよ」

「はぁ?さんざんフっといて?

えっ?あぁ、ヘロヘロなラインの先?」

「それ」

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「ウワッ!デカイのが、いるじゃないですか!」

「よっしゃ〜!!」

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「あいかわらずの暴れっぷりで」

「ホントですよ。社長が言うと嘘くさいんで、俺がいいますよ。

『スゴイんですよ〜みなさ〜ん』って」

「うぅぅぅむ、50cmは余裕で超えているよねぇ」

「ですね」

「画像で見ると、伝わんないんだよなぁ、このデカさ」

「ここで、釣りしてもらわないと、無理っすかね」

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「う〜ん立派だ。りっぱ、リッパ、ストリッパ〜」

「ダメだこりゃ」

「ちなみに、オレのボウボウフライは、コレです。

えっ?『見飽きた』まぁ、そうおっしゃらず、

いい仕事してくれますから!」

ボウボウフライ

「俺もフライやります」

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「レレ!うまくなってる!投げるの」

 

「絶好調のペラ男さんに、対抗すべく反対側にきたら、

また釣ってるし」

「おお!なんか、あの『ORVIS』トレードマークみたいじゃねぇかよ!」

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「そして、ランディングと」

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「デカイ!!」

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「ルアーも絶好調〜!ですかね?」

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「ええ、ソコソコ。つや消し茶色の2.5gスプーンが、

調子いいですよ」

「デカイね。60は、いってるよ」

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「ヤァ〜、キミが『タマちゃん』だね。サザエさんはいないのかい?」

「ウニャ」

「いないってよ」

「アハハハハ、社長、完璧シモベですよ、タマの」

たま

 

あとがき

「お疲れ〜」

「お疲れ様でした」

「楽しかったでしょ?釣ってたもんねぇ」

「いっとき、渋い時間もありましたけど、良かったですよ」

「だよね。ルアーが特にねぇ」

「ええ、茶色のスプーンが特に。社長もルアーで釣ってたじゃないですか」

「ま、まぁ、ペラ男さんほどじゃないけど、3匹」

「いつもと、パターンが違ってましたよ」

「です。ディープクランク無反応」

「はぁい、上ずってました」

「ねぇ。なんで、オレはケムポップSの3点釣法」

ケムポップS

「なんスか、それは?」

「てんからテクニック。居そうな所周りを2ヶ所打ちし、

3投目に本命を流して食ってもらう。だった気がする」

「アハハハハ、『気がする釣法』ですか?」

「見たんよ、きょう。『ガ』みたいなデカイ虫が、

チョン、チョンと水面に降りてさぁ、3回目のチョ〜ンで

『ガバッ!』っと、食われちゃったの」

「で、『気がする釣法』ってわけです?」

「それよ、釣ったのは2匹だけど、数回アタリはあったんよ。

と、シャロークランクの「ウルトラなまけ引き」でしょう」

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「アハハハハ、それはいいですよ、聞かなくっても

わかっちゃいますから」

「聞け!聞くと見るとじゃ大違いなんだで」

「見てましたよ。寝てんのかな?ってくらい、ゆっくり引いてたでしょ?」

♪♪ アッら、見てたのネェ〜♪♪ 都!はるみちゃ〜ん

「で、そのたいそうな技で、何匹釣りました?」

「都はるみちゃんでか?」

「アハハハハ、社長、技の名前変わっちゃいましたよ」

「あれ?そうか、まぁいいじゃん、流れだからさ」

「で?」

♪♪ひとっつ出たホイのよさホイのホイッ♪♪ 知ってる?春歌

「・・・1匹ですか、大技の結果は」

「そだねぇ〜、きょうは小技の日だったかなぁ」

「アハハハハ、かわしましたね、うまいこと」

「はは!本日はペラ男さんに脱帽でした」

「じゃあ、社長運転で帰りますか」

「承知!!なんでもするよ」

「来週はセンパイとですね」

「ウ〜ン、どうかなぁ?オレはOッK牧場だけどさぁ」

「来週って、祭日じゃないすか?」

「そうだ、振替休日だ。文化の日の」

「微妙みたいで〜す、俺は仕事なんで、無理で〜す」

「う〜ん、相談しま〜す」

「アハハハ、行かないね」