「もしも〜し」

「ご苦労様です」

「毎回、訳がわかんないけど、ご苦労様、ぺ君」

「挨拶ですから、気にしないでください。で、本日は何か?」

「『ナニか?』って、たわけ!!」

「ハッ!?」

「八郎潟どうすんのよ!」

「行くに決まっるじゃないですか!去年から、ズ、ズ〜っと、伝えてたじゃないですか、社長に」

「ああ、聞いてたよ」

「でしょ」

「たわけ!の2乗!!その、八郎潟行きが3日後だよ」

「はい!楽しみな。ウキ・ウキ・ウッキ・ウキ〜!!」

「山田君、どうする?この『大たわけ』」

「あれ?須田さんいるんですか?お店に」

「ああ、いるよ、大事なこと決めるために」

「なんで?聞こえちゃってるんですか?」

「スピーカーにしてあるからだよ。他のお客さんにも、マル聞こえ状態」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、いいんですか?社長、そんなんで」

「ああ、OッK牧場だ」

「で?」

「どうしょうもねぇな、チミは。時間とか面子…色々、決めてねぇだろう、まだ」

「11時半ですよ去年は。あっ!車割り…」

「そうね。色々あるでしょ」

「あ、あ、あした、行こう、って、思ってた、と・と・ところ、な・な・なんですよ」

「ウォッホッホッホ、2人で行きましょうよ、社長」

「エッ?ってことは、社長、須田さん、自分…の、3人ですか?」

「否!!山田君とオレ」

「そんなぁ…、あっ!兄ィは?」

「ああ、残念ながら、宿が取れずで。3月に手配したにもかかわらず、3人部屋のみ」

「そうだったんですか」

「そういった、諸々、決め事あるわけじゃん。それが、3日前っだっちゅうのに、連絡も無く」

「ええ、2人ですね、社長」

「あ、あ、あ〜」

「船も積んで、用意は万端だから、11時半に来いよ!運転手として」

「ヒャッホ、ヒャッホ〜!!行きますよ〜!!」

「パパになって、幸せ野郎ップリが上がったね、山田くん」

「ええ!釣りますよ!!」

本日の登場人物


ぺ君
「今年、初船釣りッス!」
「…で、終わり?君もか…」

山田クン
「久しぶりの釣りですよ」「…で、終わり?山田クンまでもか〜」


「オレも、約2ヶ月ぶりだよ」「ヤバイですね、ビックリアワセが」

「あれ?これじゃ、知らない人の家に行っちゃいますよ」

「戻りだな」

「んじゃ、バックしますよ」

「おお、もう着いたの『威勢付の爆池』に?」

「お目覚めですか、社長?ぺ〜が悩んでますよ」

「社長、迷ってます」

「あぁ!なんで?ナビが2個有ってかよ」

「2個とも、道が出ないっス」

「そんな時こそ、スマホだろ!どれどれ…オォ、そこそこ、ほれ、あの木んとこ右で…」

「あ、はい。で?」

「で、次を…Uタ〜ン!」

「エッエ〜!」

「間違えたんだよ!早えとこ戻れ」

 

「おっ!あれだ!『爆の池』」

「たどり着いた!って、感じだな、ぺ〜」

「意外に広いっす」

「よ〜し、ズンズンおろして、ガンガン行くぞ〜」

 

「スゲェ、苦労しましたけど、船出しに」

「ああ、まったくだ。落ちるかと思ったよ」

「帰りが心配です」

「ああ、ぺ君、そんな後ろ向きにならない」

「そうだ、ぺ〜。釣りのみ、考える」

「いいですね、お二人は、そんなんで…」

「あれ?バカにされたみたいよ、山田くん」

「ええ、そのようですね」

ドスッドスッ

「ウウゥゥ、いきなりの2発ぅぅぅ」

「デタ!」

「ええ!?2投目ですよ」

「が、のらず」

「おっ!」

「やったね、ぺ君。がっはははは〜」

「ウォッホッホッホ。ぺ〜、見たぞ、見事なびっくりアワセ」

「やっちゃいました〜。れれ?」

「フンフン!ふん!」

「社長、須田さんが釣ってますよ」

「もう!?」

「今年の初バス!37cmですよ」

「綺麗なバス」

「美しいね、オレらも釣らねぇと」

「あっ!ゴチバトル!」

「それ。おっ!オ〜イ、しっかり喰ってくれ〜」

「あっ」

「また〜」

「えっえ〜」

「社長、アタリはすごいですけど」

「なぁ。さっぱり乗ってくれない」

「キッタ〜!!」

 「俺も37cmッス。ビューティバスっす」

「ヤッベぇ!オレ、またしても、バイト王かぁ?」

 

「きました、ようやく」

「社長、34cmです。最下位です」

「おお!」

「またまた〜!」

 

「ウォッホッホッホ、きましたよ」

 

「ここ、スゴイね!」

「ええ、まさに『爆の池』ですよ、なぁ、ぺ〜」

「俺、社長のルアーがスゴイ!なって、思うんですよ」

「見てたの?」

「見てましたよ、当然じゃないですか。やたら、バイトあるし、その出方がまたスゴイ」

「ほぅ…ぺ〜は、いつの間に、そんな観察してたの?」

「バイト多いし、けっこう釣れたし、社長って、びっくりアワセしないのは…ってことで、覗いてました」

「ストーカーだな」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、山田さんも見た方がいいですよ、びっくりアワセやるんだから」

バシッバシッ

「やっぱり。やられると思ったよ、ぺ君は、がっはははは〜」

「ウゥゥゥ…なじぇ?参考にして」

ドスッドスッ

「だよね、当然そうなる」

「うぅぅぅ」

「参考になる、それは確か。が、山田じゃあないから」

「あっ、須田さん。もう、分かんなくなっちゃいましたよ、山田さん?須田さん?」

「ヤバイですねぇ」

ドスッバシッ

「予想どうりの結果でしたぁ〜」

「ウォッホッホッホ、社長、そのスゴイのは、どちらのルアーです?」

「これかい?ガウラさんの『ブッピーRS』だよ」

「あっ、50釣った、アレですね」

「いやいや、50は『コ・ブッピー』。これは、兄者の『RS』大きさ使いごろ」

「ガウラさんですか」

「50釣らしてもらったんで、お礼したら、更に『お礼?』的に、いただいたんだよね」

「他のルアーでも、ガンガン釣れてますけど、きょうは。それは『怒ってるぞー!』って、出ますね」

「はい。でも、ペンシルにも、そんな感じ出てたよ」

「イヤイヤイヤイヤ、怒りの度合いが、全然違いますよ。ねぇ、山・・須田さん」

「耐えたな、ぺ〜。でも、そのとうり」

ドッ・バーン

「キッタ〜」

「やっぱり」

「社長、37cmです。3人並んじゃいました」

「よっしゃ〜、勝負はこれからだ、各々方!」

「ウォッホッホッホ、釣りますよ」

「これで37cm?とは、思えない体型なんですけど」

「じゃ、オレの勝ち?ぺ君」

「イヤイヤイヤ、これからです」

 

あとがき

「お疲れ〜」

「お疲れでした」

「でした。3人並びのまんまでしたが、ここは楽しすぎでしたね」

「『威勢』ついた?ぺ君」

「付き過ぎちゃって、あした大変ですよ」

「なんで?」

「もっとスゲェ〜ンじゃねぇ!?って」

「忘れろ!きょうの事は。八郎潟の厳しさ、知ってるだろ?」

「そりゃもう、誰よりも!」

「ウォッホッホッホ、ノーフィッシュどころか、ノーバイト連荘だからな、ぺ〜は」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、須田さんと一緒ッス」

「うわッ!!」

ドスッドスッ

「うゥゥ…」

「がっはははは〜、ですよねぇ、なるよねぇ〜、懲りないねぇ、ぺ君は」

「3回目ですよ、きょう。で、夕飯はどんな感じですか?」

「おっ、3並び!」

「ん!朝あつめた公金で中華、ってのは、どうかね?」

「なるほど、平等って事で」

「中華はここの『掟』ですもんね」

「です。では、まいりますか、各々方!」

「はい、あしたの活力になっちゃいますかね?中華は」

「無理じゃね、変わらずだろ。ねぇ、山田くん」

「ええ、全然ですよ。が、釣りますよ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、俺もっス」

「あしたを、お楽しみに〜」

つづく