「社長!着きましたよ!」
「あぁぁぁ、おっ!バーミヤン?飯か?」
「はっい〜!?なに、寝ぼけてんです?八郎ですよ!」
「ハチ公?忠犬の?」
「そうそう、渋谷の…なっ、わけないでしょ!秋田ですよ」
「えっ?秋田?柴犬じゃないの?」
「社長、もうその辺で」
「あ、兄ぃ、すみません。ペーヨン君を、チョイ、イジッてみました」
「あひゃひゃひゃひゃ〜、いきなりの、イジリですか、朝イチから」
「楽しいだろぅ?モテモテじゃん?」
「もういいです。それより、見てください、川を!」
「あっ!と、驚く為五郎〜♫ だね、こりゃ」
「解んねぇ、朝から」
「スマン。ひどいね水面が。バッシャバシャで」
「どうします?」
「無理!危険!チョロリ移動だね、上流へ」

 

 

「ここらはどうスか?」
「良いね好いね、さっきのとこよりは。バーミヤンのお姉さんだよ」
「また解んねぇ。なんすか?」
「シズカちゃん!知ってんだろ?ペーヨンも。しょっちゅう、行ってんだから」
「『シズカちゃん』だから『水面が静か』ですか。そんな、超身内ネタですかぁ」
「いいんジャネェの、親近感湧くだろ?」
「モリモリです!って、言えばイイすか?」
「ゆるす!それでは、とっとと準備して、いざ!参ろう、おのおのがた!」
「兄ぃ、やっと始まりますね」
「あははは、のんびりやろうよ、カトちゃん」
「カトちゃん。つまり、ペーヨン・カト。何人かいな?」
「バリバリの日本人ですよ。気がつけば、そんな風に呼ばれ…社長じゃん、言い出したの」
「ぺ〜!行くぞ!さっさと乗れよ、船に」
「あれぇぇぇ、いつの間に。あっあっ、そんな岸から離したら…」
「あははは、カトちゃん、無事でなにより」
「兄ぃ、まいりましたよ、朝から」
「ヨ〜ソロ〜!出陣じゃあ!ぺ〜、ホラ貝吹けよ、『ボォオォォ〜』って」
「ありません、そんな物は」
本日の登場人物
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兄ぃ

「やっと休みが取れました」
「はい、良かったです」
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ペーヨン君 

「いよいよですね」「なに?びっくりあわせ?」

私「ぺ〜と2人っきり?って、思ってました
「社長、上流はおだやかで、ヤリやすいですね」
「あぁ、シズカちゃんだ。アタリも無く、実に」
「あひゃひゃひゃひゃ〜」
「おっ、いいねぇ、この状況で笑えるキミはぺ〜君。幸せ者」
「兄ぃ、誉められちゃいましたよ、社長に、珍しく」
「あははは、よかったね。さぁ、集中集中」
「れれ、おかしいなぁ。もう少し、なんか、こう、言って欲しいような」
「幸せ野郎!いつもと違うの気がつけよ。上がる程にダメダメだろう」
「はっ!言われてみれば。濁ってるし」
「流石、幸せ者。今頃かい、よって、下るから」
「そうしましょ」
「兄ぃも同感ですって、社長」
「よし!真の幸せを求め下る、全開で打ちながら行く、引っ掛けんなよ、幸せ者」
「あひゃひゃひゃひゃ、社長がですね」
「兄ぃ、その幸せ野郎、突き落としてください!」
パキポキパキポキ

「なに関節鳴らしてるんですか?兄ぃ、あっあっあ〜」

 

「どうよ?朝よりは、シズカ嬢じゃね」
「ええ、風向きも若干変わって、左はイイ感じです」
「あっ、いつもサッパリ釣れない側ですね」
パキポキパキポキ
「あ、あ、兄ぃ、やめてやめて」
「いやいや、何もしないし、これから、ビッシビッシ投げるから」
「そう、準備体操。オレは、もう済ましてあるから」
「そうですよね、ここまでの間、引っ掛けまくっ…」
ドスッ!
「ううう、今回初!中段突きぃぃぃぃ」
「1回だけじゃんよ、オレが引っ掛けたのは、あとは、全部ぺ〜の字だろ」
「兄ぃ、新ネタみたいです。『ぺ〜ノジ』字になっちゃいました」
「『痔』?」
「アニィ!」
ガバ!!
「出た!」
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「39cmです、兄ぃ。ルアーは?」

「川島さんのグラスホッパ〜です」

 

「おぉ!!」

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「あれ、釣れちゃったの?ぺ〜君も」
「社長、47cmです。松田さんのダーター、初で最大ぃぃ!」

「ヤベ!オレ、ガイドか?」

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あとがき

「おつかれ〜。に、する?お2人」「そうっスね、俺はいつでも。ウキウキウキ、ウキウキ!」

「そうしますかぁ、明日に備えて」

「兄ぃも、よろしいそうですよ、社長。ウキウキ、ヤッホ〜」

「んじゃ、あがるべ。バッシャバシャだから、落ちないでよ」

「ウッキウッキ、バッシャバシャ!ウッキウッキ、ザッブザブ〜!」

「兄ぃ!その、ウカレた幸せ野郎を落としていいですよ」

「あ、あ、やめて〜!ウキウキ、ヤッホッホ〜」

「兄ぃ、オレがやります!そして、沈めます!!」

「あっ!すいません、社長。釣れなかったんですよねぇ」

「兄ぃ、上陸完了ですね。オレは、こいつを沖に沈めてきますから、しばしお待ちを」

「あっ、あっ、社長〜」

「たわけ!サッサと上がれよ!あぶねぇだろ!」

「よかった、ホントにヤリそうなんだもん、社長は」

「がはははは〜、そんだけウカレてれば、沈まネェよ。ガハハハハ」

「社長は、ツキが無かったですね、アタリは、一番多かったですから」

「兄ぃ、お気遣い、ありがとうございます」

「そうでしたっけ?俺は5〜6発、兄ぃも、同じくらい」

「カトちゃん、社長は10発」

「で、ゼロゼロ?へぇ〜」

「やっぱり沈める!」

「あ、あ、やめて〜」

「お〜い、ぺ〜ヨン、どこ行くの?飯いくよ!」

「あれ?そうなんですか?てっきり蹴落とされるかと…」

「きょうは、『ペ〜ヨン・ラッキーデイ』って、事らしいから、ナンでも有り」

「うれっしッス。47cm2匹なんて、初めてですよ」

「なかなか無い事だから、せいぜい余韻に浸ってくれ」

「あしたは、社長も釣れますよ、たぶん」

「やっぱり沈める!」

「あっあっあっあ〜」

「はたして!あしたは!?」

つづく