「父、雪はどうなの?」
「群馬はダメっぽい。なので、湯沢に行こう」
「新潟県の?」
「左様。ほぼ全面滑走可、だってよ」
「スゲェ!昼間かな?」
「いや、ナイターで。31日は掃除があるから、その後、じっくりと休んでから行くべ」
「いいね!正月と言えば、ナイター!と、かねやん。行くんでしょ?」
「残念~ン!ながら、かねやんは欠席。マウンテンバイクこぎ過ぎて、『筋を痛め、筋肉も疲労困ぱい』だってよ」
「アッチャ~!!楽しみにしていたのに」
「そりゃ本人が一番だよ。よって、2人っきりだ、さみしいですが」
「しょっぱなから、今季も『一人!?』を、うかがわせるね」
「はい、まったくでございます」
「そう言うあたしも、最初で最後かもよ」
「でも、職場の人達と行くんだろ?」
「そう。相談中、なんだけれど…」
「雪か?降ってないよなぁ、群馬は。新潟はいけるよ、たぶん」
「正月ナイターで確認する」
「はい。では、まいろう」

本日の登場人物


娘。「曲がれるかなぁ」「オレも」

私。「今季の装いは、こんなんです」「パンツは去年のままね」
「おお、川端康成さんのようだ」
「ああ、『トンネルを抜けると雪国…』って、ホントだ。さっきまでは、スゴイ心配してた」
「湯沢インター出たら、5分くらいで着くよ」
「近いね」
「そこが湯沢周辺スキー場のイイとこ!
ほとんど高速、一般道は10分くらい」
「すばらしい。問題は雪」
「着いたよ」
「おお!!雪ある!そして、寒くもなく!風弱し!完璧!!」
「ガッツリ体操して~、温~く、行ってみよ~」
「体操メインかい」
「はい、1回目ですから」「父、リフト遅くね?」
「遅い。牧場並みに。最近ではめずらしいかも。ううっ、寒!!」
「あたしゃ、フリース着てきたから、平気だけど。父は『いらねぇな』とか、言って、着なかったからじゃん」
「ううっ、そのとうり。早く着いてくれ~」
「着いた。けど、この降り口、急過ぎる」
「よかったよ、上ちゃん達、来なくて。これじゃ降りられない」

「さてと、曲がれるかな」
「オレは回れるかな」

ぴゅ~ん、すい~、スイすい~

「おお、すんなりと行けてるじゃネェの。オレも!」

ビュ~ン、ザ、ザ、ザ~、ガツっ!

「危っぶねぇ!危うく逆エッジ」
「父、ヤバかったね」
「まったく。そう言う、アタシはどうよ?」
「こけたよ、派手に。で、思い出した」
「なるほど、結構だね。オレは背筋がおかしい」
「あはははは、変に耐えるからだよ。流れに任せて、コケちゃえば良いのに」
「次はそのように。って、言うか、今ので腹空いてきたよ。おにぎり3つ食べたのに」
「あははは。食べたのが早すぎんじゃね、トンネルの前でしょ?」
「そうだ。言われてみれば」
「このゲレンデ下にレストランあったよ」
「おお、あれか。じゃ、もう1回滑って、飯!!」

「オレも、思い出してきた。チョコチョコ試してみた、小技」
「あたしも、コケずに降りてきたよ」
「よ~し!飯だ!!ゲッ!終っておる」
「って、ことは。えぇっと、横の狭く、暗いガリガリコースを滑って、下まで行くわけ?」
「そう、なるなぁ。この空腹には耐えられん。降りる」
「はいよ~」

「ううう、着いた。『たどり着いた』って、感じだな」
「あい、まったく。緊張しっぱなし。疲れた」
「暗かったからなぁ。さて、飯、めし、メシ~」

「ううぅん、ううぅん」

「やはり。なんか誘われないんじゃね?」
「はい、実は」
「オレも、そう思ってた」
「車におにぎり有るよ、1個だけ」
「オレも、1個残してある。しか~し、それでは済まん…ジナビア?」
「無視!じゃあ、滑りに行く?」
「また乗るのかぁ、あれに」
「2個目は早いよ」
「いやいや、問題は1個目。ううぅ~ん、ううぅ~ん、よし!帰ろう!!」
「なんですと~!? 2回だけだよ、滑ったの」
「はい。それなりに堪能はした、気がしないでもない。どうよ?」
「やぶさかではない」
「なるほど。まぁ、一発めは温々で」
「ヌル過ぎる、と思わんでもないが、確かに腹が空いた。父、帰ろう」
「御意!」

編集後記
「いかがでしたか?初滑りは?」
「はい、そこそこ」
「やはり、微妙~な、感じですか?」
「はぁ」
「だよね、2回じゃ。なれないスキー場だから、段取りが悪かった。と、いう事で」
「ですねぇ。しかし、あたしゃ次が有るのかどうか…」
「ある事を祈りつつ、雪ごいもやりつつ」
「だねぇ、戸倉に行くぞ~!」
「オオォ~!!!」
「みなさん、あらためまして、謹賀新年!今季もお付き合いを、お願いいたします。
さて、記念すべき、第1回目の雪山遊びは、スーパー温々にて、終了してしまいました。
次回も、はなはだ心配ではありますが、それも有りかと。雪もこんな状態ですから」
「よ~し、帰ったら『雪ごい』するぞ! そして、次回をお楽しみに~」

追伸
「旦那さん(西牧さんじゃなく、オレのこと)、動きがヘンだけど?」
「ううううっ、背筋がいたたたた~、なんだよね」
「やっぱりね。いよいよだから、今年」
「ああそうだ!じいさんだ、還暦だから…って、言いたいわけ?」
「あたり~!」
「そんなことは、無くもない…無い!」
「ゴリゴリマシーンで、ごりごりして、湿布貼れば?」
「スマン、頼む」

「すげぇ!バンテリン湿布薬。すっかり治っちゃった。
否!それも柔軟な体があってこそ。みなさん、柔軟体操、体幹運動を
おすすめいたします」
「ウチの旦那は、『自分の体いじめ』が大好きなんです。
わたしは、やりません、寝ます。何事も、ホドホドがよろしいかと」