「アレ?!早いじゃん、お二人さん」

「おはようございます。開幕ですよ、社長。もう、ソワソワじゃないですかぁ」

「釣れねぇな、ペラッちょさんは」

「僕も早めに」

「よう!上ちゃん、時間厳守で、大人の仲間入りだね」

「はい」

「アハハハハ〜。上ちゃ〜ん、ワイパー矢嶋くんより、格上だね」

「はい、『上田』なんで」

「社長、つまんないんで、トットと行きましょう」

「いいねいいねェ、朝からそのノリ!ソロ活動中の身には、シミるねぇ〜」

「社長、今からそんなんじゃ、この後、トロけちゃいますよ」

「おお、そうであった。山田君もいるから、爆発しちゃうかも」

「で、その山田先輩たちは?」

「ああ、二人は現地直行だよ。スッたモンだの結果」

「場所わかるんです?」

「今は、Googleマップって、便利なのがあるじゃん」

「ああ、ピンポイントしたマップで」

「そう。そのアドレス、メールで送ってさ」

「ヘェ〜、社長がヤルのそれを?」

「そうだよ。できるようになったのよ、そんな事が。昭和人のオレにもさぁ」

「意外です」

「だろ、格上の上ちゃん。オレもビックリだよ。これまた、スッたモンだで、まぁ、たいへんだったのよ」

「そ、そうだったんですね」

「今頃、スマホナビで向かってんじゃね」

「行きますかぁ?荷物も積みましたから」

「おお!まいろう、おのおのがた。いざ!爆釣の鬼牧川!」

「あはははは、すでに、トロけてるね、社長は。なぁ、上ちゃん」

「ハイ」

 

本日の登場人物

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金井君

「楽しみです」
「そりゃそうだろ、1年ぶりだもん」


上田君

「お誘いいただきまして、ありがとうございます」
「あぁ、上ちゃん、荷物運びね、アハハハハ〜」

「そんなぁ…」


薄いペラ男さん

「今季、初バスですよ」
「オイオイ、正しくは、『初バス釣り』だろ」
「いや、釣りますから、俺は」


山田くん

「ウォッホッホッホ、みんな『初』でしょ」
「イエ、僕は4回目です」
「あぁ、上ちゃんね、荷物運んでて」

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「実は2回目の、オレ」
「あはははは〜!社長、ノーバイ街道爆進中」
「無念」

 

「いや〜、準備も早いねぇ、5人がかりは。ねぇ、山田さん」

「ええ、まったくですよ、社長」

「あれ?ヤマダこと、須田先輩、メチャメチャ暑そうですけど」

「暑いよ!あの草ボウボウの中、荷物運んだんだから、普通だろ!」

「先輩、太りましたね、腹回り俺と似てますよ、アハハハハ〜」

「だまれ!ぺらお!」

「怒られちゃいましたよ、社長」

「イタいトコ、つかれたんじゃね」

「ああ、社長、そんな事はございませんので」

「あ、あ、そうですか、失礼しました。オレも叱られたみたい」

「アハハハハ、社長!同じなんですよ、俺と。ローソンねぇちゃんに言われたでしょ!」

「またそれかい、屈辱的な発言なぁ」

「豪快に、笑いながら言ってたでしょ」

「ああ、まさに豪快!他にもお客さんいる中『おんなじだよぉ〜、あはははは〜!』って」

「そんな方がいたんですか?どちらのお店ですか?」

「ああそっか、上ちゃん会った事ないんだ」

「オレんちの近所だよ」

「あっ、わかりました。須田さんが、いつもカマっているお母さん店長の」

「そこそこ、先輩は上手だから、熟年の扱いが」

「だまれ!ぺらお!だいたいそのては、社長だから」

「えっ!オレなの?」

「ええ、そうですよ。イオンのメシ屋でも、いつの間にか仲良しで」

「丸沼スキー場でも、そんなんでしたよ、社長は」

「金井さんも言ってますよ、社長、モテモテじゃないですかぁ」

「ぺらお君、あのね、オレは無害だから、おネェさん達も話しやすいだけ」

「あぁ、先輩の真逆ですね、アハハハハ〜」

「だまれ!ぺらお!」

「あの〜」

「なんだい?金井君」

「出発しませんか?」

「おお!こりゃ失敬!」

「どっちへ行ったらいいですか?」

「先週は、対岸から下りが、『よかった!』ってよ」

「こっち側の上はどうですか?」

「前にぺ〜と来た時は、まぁまぁアタリがあったよ。だんだん浅くなるけど」

「じゃぁ、そのセンで」

「いいの、金井君。先週好調ポイント行かないで?」

「はい、どうぞ」

「ああ、いただきだね、コリャ!のぉ、お二人」

「社長は操船に100%で!なぁ、上ちゃん」

「いえ、僕の口からは、なんとも…」

「言ったなぁ、ぺらっチョ。ナイスキャストしたら、全開で移動すっから!」

「アハハハハ〜、それは上ちゃんの時で」

「んじゃま、祝!開幕〜!!」

「やれやれ、ここまで長かったですね、須田さん」

「金井君、社長も1ヶ月ぶりなのと、久々に、みんなでの釣りだから」

「『ハイ!』なんですかね?」

「そうだ。いつもクールな、キミと違ってな」

「じゃ、行きますから」

「オイ!そんだけかよ?」

「はい」

「やっぱり雨ですね、シャッチョ!」

「まったく。今年も雨男」

「でも、釣れそうな感じです」

「ああ、言っちゃった!そのセリフ」

「えっ!ダメなんですか?」

「ダメじゃない事、祈る!」

「上ちゃ〜ん、うまくなったねぇ、キャスティング」

「あ、あ、ありがとうございます、白井さん」

「でも、ノーバイだよねぇ」

「そ、そ、それはみんなが…」

「上ちゃんが言っちゃったろ、社長の苦手なのを」

「え〜っと、あっ、『釣れそう』ですか?」

「それ。ねぇ、シャッチョ」

「あぁ、いたんだよ、そればっか言うのが」

「どなたですか?」

「いまや、釣りもスノーボードにも、無反応な!旦那西牧さん」

「アッ!大吉の?」

「そいつ、吉の方ね。でもね、言った本人だけは、釣るんだよ」

「アハハハハ、シャッチョよりうまいんですね」

「ナンとでも言ってくれ。なんで、取材ん時は、一緒に行ってたんだよ」

「ああ、釣ってくれるからですね」

「です。やっぱ、釣れた方がイイじゃん」

「はい。説得力があります!」

「シャッチョは釣れないんです?」

「ペラッちょさんよ、バカにしてね?」

「そげんこつはなかとです!でしたっけ?」

「それには、続きがあるよ、『尊敬ばしちょります!』ってのが」

「それですよ、ソ・ン・ケ・イ、な、上ちゃん」

「な、な、なんで僕なんですか?」

「からかい半分で、言う感じだろ、それ?」

「いえいえ、で、シャッチョはどうだったんです、取材ん時?」

「釣ったよ、たまには。でも、旦那の方がデカイんだよ」

「アハハハハ、だから、小物釣り師ですか?アハハハハ〜」

「対比になって、イイんじゃないですか?絵的には」

「アハハハハ〜!上ちゃん、バカにしてね?それ」

「い、いえ、そげんこつはながとろ?」

「もういいだろ、むかしの話だし」

「西牧さんの今は?」

「まだ続けるの?噂ではキャンプにハマってるそうだ」

「冬は?」

「冬もだってよ、雪ん中テント張って」

「マ〜ジっスか!?」

「ああ、たまんないらしい、寒い中でキャンプ」

「ヘェ〜」

「だろ。そういうのを、インスタグラムとかいうのに、出してるそうだ」

「インスタ映えですね、流行ってます」

「そうらしいね、流行り大好きだから、旦那は」

「社長もやられては?」

「上ちゃ〜ん、オレにできると思う?昭和の人だし、だいたいネタも無い」

「いやいやいや、簡単ですから。それに、社長は色んな事やってますから、

ネタには困らないですよ」

「そうそう、アメッチョ年賀状とか」

「ペラッちょ、またバカにしたな」

「さぁ!雨もあがったし、集中、集中!」

「あははは、僕もです」

「オレは、お茶係りだな」

「よっ!待ってました!ホットなやつで」

「おお!まかしとけ!…ん?接待係か?オレ…」

 

 

「ファ〜ァァァァ…、ファ〜ァァァァ…」

「社長、さっきから、船が蛇行してますよ」

「ファ〜ァァァァ…、眠!眠い!眠いの3乗!ファ〜ァァァァ…」

「食ってばっかりだからですよ」

「腹が減っては…って、言うじゃん」

「じゃ、食べて、チカラ、みなぎっちゃってるでしょ」

「そこを通り過ぎた」

「アハハハハ〜、ダメじゃないですか。何個食べたんです?」

「たいした事ないよ、6個だから」

「えっ!?いつの間に」

「はて?気がつきゃ、6個。それによう、無反応だろ、食うしか無いじゃん」

「いやいやいや、投げてくださいよ」

「投げたよ、飽きるくらい」

「で、飽きちゃった、の?」

「チョット」

「子どもですか?」

「チョッチュねぇ」

「アッ!偉大なチャンプ、冒涜した」

「そげんこつは、なかとです!」

「ホラァ!社長、上ちゃん、キョトン顔になってますよ」

「あ、あ、お二人の会話に、ついていけず…」

「たいていの人がそうだよ。ねぇ、シャッチョ」

「ファ〜ァァァァ…どうにでもしてくれ」

 

 

「うわっ!綿毛みたいな種が!」

「寝てるスキに、こうなりましたか」

「アレ!オレのせいかな?ぺらお君」

「ですね」

「おいおい、君らも同意したじゃん、寝る!って」

「いえ、半ば強制でしたから。なぁ、上ちゃん」

「あ、あ、そのぉ…」

「アハハハハ、困った返事に?」

「え、えぇ。綿毛みたいのがあると、ダメなんですか?」

「社長のなかでは、そうみたいねぇ。俺は気になんないけどさぁ」

「うっとうしくね、ルアーにもラインにも、からむし」

プルルルル〜

「あ、はい、そうです。はい、はい、ハイ〜」

「先輩?どうなの、むこうは?」

「はい、ノーバイ!だそうです」

「よし!決定!昼飯だ!チョイ早だけど」

「まだ食うんだ。まぁ、俺らは丁度な感じだよな、上ちゃん?」

「ハイ、完璧です」

 

「無!ですね、須田さん」

「あぁ、無…だ。」

「これじゃなぁ。金井君、メシ!のち!睡眠!」

「で、恒例の茂みで、ホニャララですね?」

「あぁ、そうだ!もはや行事化してっから!」

 

あとがき

「お二人よう、雲行き怪しくなってきたで」

「ええ、気温も下がってますよ。水面バシャバシャだし」

「ってことは!お名残は尽きねども!」

「撤収、山岡?」

「なるかな、奇跡のワンバイあったし」

「アッ!言っちゃいましたね、社長」

「?」

「俺も社長もワンバイでした。もう一人が、ノ〜バイ!

「おお、そうであった。じゃあ、そのお方に問わねば。どうする?ヤル?撤収?」

「退却で」

「アハハハハ〜、社長、玉砕なようです、上ちゃんは」

「そんなぁ、けっこう、ヘコんでるんですから、僕だけノ〜バイ

「上流組もきたよ。おつかれ〜、ノーバイ?」

「ウォッホッホッホ、社長、失礼ですよ、二人ともワンバイですから」

「あら〜、完全無欠は、上ちゃんだけだってよ!」

「もう!白井さんお願いしますヨォ、このへんで」

「ああ、上田君はアタリ無かったの。あ、そう、残念だったね」

「まだイジラレちゃうんですね」

「ウォッホッホッホ、アタリあったものの、釣ってはいないから。

でもね、クールなキャ内君は釣ったから」

「ほう!」

「マジで!?」

「ホントですか!?」

「ええ、すぐそこで。撤収10分前に。ガウラのプラポッパーで」

「冗談かと思いましたよ、『撮ってください』って、言うから」

「流れ石と書いて、さすが!と、読む!金井君!ヤッル〜!」

「去年の社長みたいでした」

「榮えある勝者のディナーは?半端な時間だけど」

「それは次回で。きょうは帰ります」

「次回!あるの?去年は無かったで」

「なるべく」

「だってよ、ご一同」

「先輩は、金井さんの車だから、帰りでしょ?」

「ああ、そうなるね」

「じゃあ、我はお茶でも。ねぇ、シャッチョ?」

「おお、反省会だ。題名『上ちゃんのノーバイを探る!』の巻」

「エッ〜!?」

「ウォッホッホッホ、自分も参加しますよ。上ちゃん、電話つないだままでね」

「もう!ヘコんでるんですから〜」

「金井君、おめでとうございました。山田君は、爆睡の役立たず野郎に

変身だから、一人ぼっちと変わんないよ」

「ウォッホッホッホ、社長、失礼ですよ」

「いや!事実だね、毎回の。なので、気をつけてね、金井君」

「はい、社長も」

「よっしゃ〜、撤収!雨の前に〜」

 

 

「オレ、カプチーノ。そこの芸人は、アイスコーヒー?」

「アハハハハ、俺、芸人なら、上ちゃん玉砕だから、捕虜かい」

「もうなんでも。あ、僕はブレンドで」

「疲れたよ、オレは」

「ですね。でも、楽しかったですよ。なぁ、上ちゃん」

「ハイ、実に。圧巻のキャスティングも、見られましたし」

「あっちの二人なぁ、チョイ離れて見ると、スゴイよね。低弾道のライナーで」

「いやいやいやいや!白井さんも社長も変わんないです」

「アハハハハ、途中であった、メンターさん、たまげてたもんね」

「彼には、オレもたまげた!あの陽気なのに、Tシャツで短パン」

「『寒くない?』って、聞いてましたよね、社長は」

「だよ。釣果より気になったから。で『べつに平気っスよ』」

「ええ、さらにビックリでした」

「ねぇ。彼も『ダメです』って、言ってたから、状況イマイチ」

「ま、まぁ、ワンバイあったんで。なぁ、上ちゃん」

「・・・・・」

「ごめ〜ん、ノーバイだったんだっけ?」

「つ、次はスゴイですから」

「アハハハハ、社長、だ、そうですよ」

「キャスティングは問題無し。その後だね」

「は?」

「気がつかなかった?俺らの見てて」

「はぁ」

「じゃ、宿題。きょうはこれまで」

「そんなぁ!」

「おつかれ〜」

「来週からソロに復帰か…むん!渓流で爆発だ」

「社長、誤爆しないでくださいよ、アハハハハ〜」

「おお!来週はフライマン!お楽しみに〜」

「嗚呼、宿題が…」