「ゴニャ〜ン」

ゴニャ〜ン

「う、う、うぅ…うるせぇなぁ…あぁ…」

ゴニャ〜ン!!

「あぁ、わかった、わかった、起きますよ、アメッチョさん」

「ゴニャ〜ン」

「わかったから、静かにして!」

「ニャウ」

「ほい、お待たせしました」

「・・・・」

「あぁ〜ン、ナニ?気に入らないの?チラ見してるけど」

「ウニャス」

「わかりました!これ、かけるから」

サッ、ササッ、サ〜

「あっ、ダメダメ顔出しちゃっ!あぁ〜あ、頭にいっぱいかかっちゃたよ」

「ウニャニャニャニャ、ムシャムシャ、ガツガツ」

「嬉しいわけね、その食べっぷりは」

何をしたかといえば!

『マタタビふりかけ』を、まぶしたわけです。

匂いにつられたのか、顔出すから、頭にもかかっちゃいました。

猫には『たまらない一品』のようで。

 

「どうしたの?旦那さん」

「アメッチョに起こされた」

「あらあら。で、猫は?」

「外」

「食後の散歩?」

「サァ?…オレも起きて朝飯にする、アメッチョさんのように」

朝から雅亭(みやびてい)さんのサンドイッチ。最高です!

…てな具合のひと騒動があり、チョイ早めな出陣と相成りました。

 

「よう!早いね、お二人さん。おはようでござる」

「そう言う社長もですよ。おはようございます」

「ございです」

「おっ、ぺ君、馴染んだね、それ」

「ハイ、おかげさまで。今じゃスッカリ、『ゆるめ…』が、定着ですよ」

「うぉっほっほっほ、それもまた個性だ」

「朝から褒められちゃって、良かったじゃん、ぺ君」

「はぁ、微妙な」

「ほれ!個性は大事!素直に喜びつつ、出陣いたすべ」

 

 

本日の登場人物


ぺ君
「きょうが最後ですね」
「船では、だけどな」

山田クン
「今年2回目の釣りですよ」
「…で、終わりの山田クン」


「オレも、約5ヶ月ぶりだよ」
「3人とも、そうですよ」

 

 

「どうよ!!お二人、この天気」

 

「ええ、最後を飾るに、ふさわしいですよ。なぁ、ぺ」

「・・・」

「オイッ!」

「あっ?俺っスか?」

「他にいるか?『ぺ』が付くの」

「正しくは『ぺ〜ヨン・加藤』なんで。本名じゃないですよ、コードネームが」

ドスッ

「ウゥゥゥ、朝一番で、ウゥゥゥ」

「やっぱり!ヤルと思ったよ、山田くん中断突き」

「たわけたこと言うからだ。何がコードネームだ」

「須田さんも、あるじゃないですか『山田くん』って、コードネームが」

「ヤバイ!!」

ドスッ!ドスッ!

「ウゥゥゥ、またぁ」

「『山田くん』は、源氏名だ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜。じゃ『社長』は、平家名?」

「社長、こんなのはホッといて、行きましょう」

「あああ、待ってぇ〜」

 

 

「はいどうぞ、船上カフェから、ドリップコーヒーの差し入れだよ」

「おお!社長、ありがとうございます」

「ホイ、”ゆる型の君”にも」

「アッザぁす」

「うぉっほっほっほ、”ゆる型の君”いいじゃない、カトちゃん。高貴な感じた」

「は?俺ですか?色々で呼ばれて、わかんなくなってきました」

「がっはっはっは、愛されてんだよ、そんだけ。喜べ、ぺ君」

「次こそ、コードネームが来ますかね?山田さん」

「あぁ、そんな事はさておき、サッパリですね、社長」

「はい、ぜんぜんです。最後はこんなモンじゃね…と、言いつつも、なんか欲しいよね」

「ええ、それですよ。なぁ、ぺ」

「いつの間にか、ブラックコーヒーがうまい!と感じられるようになりましたよ、俺も」

「社長、この子ムカつきません?トンチンカンな返事」

「ガッはっはっは、全開!ゆる型の君」

 

 

「ガッチリ1時間寝たし、飯も済んじゃったし、いよいよかい?山田くん」

「ええ、きますよ、このジミヘンならぬ、キャラ変した巨匠のルアーに」

「あぁ、朝から、そればっか投げてたけど」

「ええ、『釣った画像送るから』を、果たすためにですよ」

「あの〜、『ジミヘン』って、どの辺ですか?」

「あぁ、新宿あたりだ」

「えっ!ホントっスか?渋谷かと思ってた」

「こら〜、チャンと説明してやってくれ〜」

「うぉっほっほっほ、失礼しました。ジミー・ヘンドリックス、レジェンド・ギタリスト」

「はぁ・・・」

「寡黙なロックンローラーが、今や陽気なお茶目さんだろ」

「あっ、で、キャラ変。じゃあ、ジミヘンとのからみは?」

「あぁぁん、あるわけねぇべ!レジェンドなんだから、あ・こ・が・れ」

「はぁ」

「よう、その話は後にして、投げた方がいいよ。水が良くなってきたし」

「ホウ!ホウ!ホウ!」

「出ました、久しぶり!ホウホウ星からの使者」

ピュウ〜ン

チャプ

「あれ?山田さぁん、オレが入れ損なったの見てたね。すかさずナイスキャストだもんね」

「うぉっほっほっほ、でも、何も無いですよ」

「オレのは仕方無しにしても、山田くんのは、お見事キャストだったのにねぇ」

「ええ」

ゴボッ

「フン!フンフン!」

「全部見ちゃったよ。即、回収して再投入かと思わせての、ホトケ引き!!」

「うぉっほっほっほ」

「ハイ!すくいましたぁ、おめでとうございです〜」

「おお!加藤くん、ありがとう!!」

「山田く〜ん、手が震えてますよ〜。ペンチお貸ししますから〜」

「立派な体型!秋だね!」

「引きの割りには、小さかったですね、源氏名山田さん。33cmッス」

「ヤバイ!!」

「ええ、社長、後でですよ、この後ですね」

イェ〜イ!!空前絶後のぉ〜・・・

「社長、ありがとうございます、代わりの雄叫び。さぁ〜て、加藤くん」

「・・・」

「キョトンとしてる場合か、沈める!」

「アッ、あっ、あぁぁぁ・・・・・」

 

 

「続きが無いねぇ」

「ええ、秋ですね、いい風景ですよ」

「アレッ!山田さん、一人ご満悦ですか?」

「ええ、まぁ、イヤイヤ、そんなことは…ねぇ、加藤くん」

「・・・・」

「あぁぁ、ぺ君、渾身の集中!もはや、イっちゃってる?」

「ええ、まさに」

「よっしゃ、ぺ君、渾身中にすまんが、戻るよ」

「えっ!?」

「ここから下りつつヤって、唯一の風裏で、フィニッシュ」

「そこで、ドピュッ!と。カトちゃん、キメちゃいなよ」

「もちろんッスよ、ドピュッ!と34cm釣りますから!」

「おお!望むところだ、加藤くん」

「ンじゃま、Uターン!」

 

あとがき

「ぺ君、4時10分です。お名残は尽きねども、終了いたします」

「うぅぅぅ、ノーバイ」

「オレ、2発。むしろ、オレの方がくやしいよ」

「ですね、ルアーも消え、完璧なタイミングでの、巻き合わせでしたから」

「山田さん、冷静な分析、ありがとうございます。2発目は50釣った

ガウラさんのルアーだったから、最後も劇的!?って、一瞬思ったよ」

「後ろ髪ひかれちゃいますか?」

「ギュンギュンだね」

「うぉっほっほっほ、自分は終了ですよ」

「大丈夫!オカッパリがある!ひとり遊びは完璧だから!」

「うぅぅぅ」

「泣くな、ぺ君。キャスティングはうまかったよ」

「おお、そうだ、カトちゃん、お見事だった!」

「ただなぁ、誘いがなぁ」

「ええ、雑ですね」

「山田く〜ん、見てるねぇ、オレもそう思ってた。せっかくのナイスキャストが、台無し」

「うぉっほっほっほ、ぺは入れて満足なんですよ」

「入れて、出しちゃう、動かないんだ、ぺ君は。ハァ〜、まだまだだねぇ」

「ええ、まだまだですよ」

「研修した方がいいな、一緒に、ぺ君は」

「はいぃっ?誰と何をです?」

「モチロン!山田さんとだよ」

「はぁっあ〜!何を?」

「決まってるじゃん!ホウホウ星からの使者!アウ〜ル山田と行く!風俗放浪記!だね。どう?」

「社長、俺、愛妻がおりますんで」

「ああ、それならオレにもいるで、今や、オレが下僕化してるけどさ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、しもべですか」

「そう、それ。きょうも帰ったら、家中掃除だね」

「マジっすか?」

「だよ。ぺ君も近い将来そうなるから」

「えっえ〜!」

「そうならないために、技を磨く!その道の匠だよ!山田さんは」

「うぉっほっほっほ、社長その辺で、かなり暴走してますから」

「あれ?テレちゃって、このこの〜、ヨッ!ニクいね!ホウホウ性人!」

「ええ、全然違いますけどね、『性人』でもなければ『星人』でもないですよ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜」

「笑うな!ぺ!社長の妄想が爆走してるだけだから」

「がっはははは、こりゃ失敬。まぁ、技は磨く!はアタリだから。ときに、勝者の証はどちらへ?」

「ええ、ステーキなんぞを、所望致したく」

「おお!最後にふさわしいじゃん!ぺ君、敗者だ!」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、社長も!」

「アッチャ〜、そうであった。来週釣る」

「うぉっほっほっほ、信じるものは救われる、私は勝者」

「そうだわ!ジミヘン、いや、キャラ変巨匠のルアー、信じ切って釣った」

「あっ!ルアー外して写しちゃいましたね」

「修正する?」

「いや、いいでしょう、来年で」

「匠は無修正がお好きなようで。暗くなっちゃたし、行くべ!」

「全部、社長のせいですね」

「ホラァ、久々の3人だからさぁ、ついねぇ〜」

「はい、来週からは、社長のソロ活動再開!お楽しみに〜」

「ハァ〜、さみしい…くはなくもないけど、また来週〜」