「おめでとうございます、旦那様」

「サマが付いたけど?」

「そうよ、誕生日じゃない、7月30日、きょう!」

「だから?『サマ』な訳。いつもは『しもべ』扱いなのに」

「あらぁ、そんな事ないじゃん、ダ〜リン」

「ありがとうございます」

「特に何もないんだけどね」

「心得ておりますよ」

「で、あしたも行くの?」

「あぁ、釣り?行くよ」

「バス?フライ?」

「いまや、完全復帰!渓流フライマンだよ、オレは」

「へぇ〜」

「加山◯三さんかよ」

「あぁ、あの番組ね。終わっちゃったけどねぇ」

「そりゃそうだろ、上から『ヘェ〜』って、興味無さげに言われりゃよ」

「じゃ、夕飯は外行くのね?」

「ハイィ!?」

「誕生日だから」

「なるほど。誰かみえたなら、行くよ」

「決まり!ジャネェ」

(と、勝手に決めて、奥方は去って行くのでありました)

 

「こんにちわ、社長。そして、ハッピーバースデイ」

「おお!山田さんじゃないですか。おっと!いとこのジニーもご一緒で!ご無沙汰」

「ええ、山田じゃなく、須田ですけどね、社長。それに『ジニー』もいませんよ」

「ご無沙汰してます。これ二人から社長に」

「ありゃァ、申し訳ないです。実はきのう、エンドゥ〜さんとミート君からも、いただいちゃって」

「おお!さすが『ニク』に、こだわるミート君」

「それって、なんの意味があるの?」

「『いとこのジニー』改め、粕谷さん。きょうは30日ですね」

「あっ!29日。で、きのう」

「たぶん。29日でニク、心温まりますねぇ、山田くん」

「ええ、須田ですけどね。まぁ、エンドゥ〜さんは、家庭の事情により…ですかね」

「仕事の都合って可能性も」

「なるほど。で、社長。いとこがなんで、ジニーなんです?」

「知らない?映画だよ。オレは飛行機の中で見た」

「いつの話です?」

「2000年。最後にアメリカ行った時だから」

「エエッ!そんな前ですか?」

「オレにしちゃぁ、新しくね、17年前だから」

「ははは、結構ヒットしたんですよね」

「さすが!いとこのジニー改め粕谷さん」

「見たの?」

「いや、見てはいないけど、そんなのを聞いたような」

「なんだそれ」

「ビデオ借りて、見たらイイじゃん、山田くんも」

「社長、今はDVDですけどね。内容的にどうなんです?須田ですが」

「おもしろかったよ、ガハハ本舗〜的」

「それ、ワハハ本舗ですけどね。で、どんなストーリーでした?」

「まぁ、それは見ての、お楽しみ!ってことだね」

「なんだそれ!組、ですね?社長も」

「お後がよろしいようで。じゃぁ、飯、行くべ!」

「まったく覚えてないね、社長は」

「ああ、長旅の退屈しのぎだろ」

「ああ、ナニかな?お二人は。いとこの男どうしで」

「社長、その言い回しは、勘違いされますんで」

「サブ的な…かい?」

「ええ、芸的ですよ」

「ウマイ!やるなぁ山田くん。おっ、上田くん登場。いらっしゃい!」

「こんにちわ。これ、ほんの気持ちなんですけど」

「ウォッホッホッホ、社長『ほんの気持ち』いいじゃないですか」

「芸的?って。とりようでは、なるか?ありがたいねぇ、上ちゃんにまで」

「はぁ?なにか?」

「いいのいいの、上ちゃんは、味音痴だからね」

「そこですか?」

「ガハハハハ。行くべ、みんなで。サブ的に」

 

と、こんな事がありまして、みなさん、ありがとうございました。

 

 

 

到〜着〜。

素晴らしい風景です!

おお!よく見りゃ、あんな所に滝が!

そして、その下の巨石が、ティラノサウルスの頭蓋骨!か?

 

うっわっ!ひどいなこりゃ。

ノロ苔だらけ、雨が欲しいね。

 

水も減っちゃったなぁ…。

アタリもさっぱりだし。

先週、あんなにいた、子ヤマメ達も現れず。

まずいぞ!これは!

おっ!魚が群れてる!

初っぱなは、ウグイ君でした。嗚呼…

 

そうか!減水と暑さで、水温上がっちゃったんだ。

うん!そうだ!ってことは、もっと上流域だ!

 

 

少ないねぇ、水が。石が更にデカく見える。

けど、流れがいい感じなんで、このあたりから粘ってみっか。

いつもと違う『マーチブラウン・パラシュート』

え〜い!呼んできてよ〜!頼むよ〜!

 

… エ〜!ナンにもないの〜!

もっと上流か?

ザブッン!!

ギュンギュン

呼んできったのかぁ?!

スゲェ、ひく!あ、あ、あ、あ、お〜

呼んできてくれました!

よそ見してたら、勝手にフライを、丸呑みしてくれた、ヤマメ君。

もうサビが入ってる、オス・ヤマメのようです。

網に入れるまでが、大騒ぎ。過去に、デカイの2匹逃しているので。

慎重、かつ!速やかに!……あっ、あっ、も、もういいから、おとなしくしてくれ〜

てな、具合。

フウ〜、もういいな、きょうはこれで充分。

では、あるものの、ここまで来たことだし、大堰堤まで行って、昼飯食べてから、帰ろうっと。

 

 

あぁ、腹空いた。

先ずは、ヴォルビック飲んで…ゴキュ、ゴキュ、プッハ〜、しみるねぇ〜!

で、おにぎり…モムモム、モム…

おっ!おぉ!

登ってる!いつもより多い!!

スッゲェ〜!

 

 

あとがき

お疲れ様でありました。

大堰堤は圧巻でありました。

ヤマメ、イワナ、大小とり混ぜ、次々に登って…と、言っても、

登り切るのは、デカイのが、たまに。

ほとんどが、あえなく墜落で…

しばし見とれた後、挑んでみるも、7月3日のようにはいかず。

登るの夢中のようで、まったく反応なし。

仕方なく、周りにいるであろうと、狙ってみると…

おぉ!おぉ!おぉ!

ってな、アタリが7、8発!

はい、見事に全空振り!

無念…な。

しかっ〜し!28cmを釣ったので、心は軽く、足取りも軽く!(ンなわけない!)

家路に着いたのでありました。

めでたし、めでたし。

じゃあ、また来週〜!

お楽しみに〜

ヨゥッシ!!メラメラメラ🔥🔥🔥