「もしも〜し、ぺ君原人ですか?」

「…」

「オメェ、なんで黙ってんだよ!?」

「いや、あの、なんて答えたら…」

「いいよ、もう。で、18日!どうすんのよ!?」

「あっ!ペキン原人?ですよねぇ」

「ですよぉ〜、ぺ君原人。って、今頃かい」

「原人はともかく、釣りは行きましょうよ!」

「行ってくれんの?嬉しいかぎりだよ」

「時間と場所は?」

「ダム!」

「マジっすか!?2人で、北陸日帰り!?」

「だよね。ツライし、それに、もったいないよなぁ」

「ですよ。そこは、またの機会にで…」

「ガハハハ、そのつもり。言ってみただけ」

「いや!行く気だったでしょ!?」

「実は。まぁ、山田君と3人で行こう、ブリ食べて、温泉入ってだなぁ…」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、社長!釣りが入ってませんよ」

「おぉ!釣りもするかい?」

「しましょうよ、そのために行くんですから」

「でした。んっじゃま、そんな感じで」

「社長、18日は?」

「えっ?行くの?」

「またそこからですか?もういいでしょ、充分脱線しましたから」

「現地に4時だな。遅刻すんなよ」

「ノープロブレムですよ。で、どこに?」

「試練の鬼巻川!」

「し、試練…ですか?」

「そお、いつもの事じゃん」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、でした」

 

本日の登場人物


ぺ君
「八郎以来ですよ」
「それは、オレも一緒だよ」


「オレ的には、渓流に行きたかった」
「大丈夫ですよ、来週から、また一人で行けますから」
「…ムムム…」

 

「よう!意外に早かったんじゃね?寝坊したんだろ?」

「おはようございます。ブッ飛ばしてきました。すみません」

「なんの、なんの、南野陽子さん」

「おっ!それ、久しぶりです」

「あの人は今?って、感じか?」

「社長、とっとと用意して、行きましょうよ」

「あれ?心配なんだ」

「そうっス。どこまでも飛びそうで」

「何が?ルアー?そんなビックリするほどじゃないよ」

「社長、その手に乗りませんよ!行きますよ!」

「がはははは、バレたか。では、いざ参ろう、ぺ君」

「フゥゥ、ようやくですか」

「えっ?なにが?」

「いえ、なんでもないっス」

 

 

「なんか、すげぇ、釣れそうじゃないです」

「あぁ、どっちなんだよ、『釣れそう』なの?『じゃない』の?」

「『か?』が抜けましたね。釣れる気配、ムンムンですよ」

「ムンムンゼミか?」

「いませんよ、そんなセミは」

「知らねぇの?オレは見たよ!」

「社長、その手にもノリませんよ」

「バレバレかい?」

「はい、集中集中です。釣りに」

ドバッ!!

ガバッ!ガバッ!ガバッ!

ドバッ!ドバッ!ドバッ!

ガバッ!

「喰ったか?喰った!やっと」

「スゲェ!追い食い」

「おお!42、3はありそうだ!」

チュルリン

「あっ!バレた!」

「もったいネェ〜、あんな、一生懸命8回も、喰ってくれたのに〜」

「ウゥゥゥ、残念である。あれ?ハリが折れてるよ」

「お得意の、モペットペンシルでしょ?ルアーは」

「そうだけど」

「散々使ってたのに、フックとかチェックしてないでしょ?」

「チェックメイトキング II、こちら、ホワイトロック!異常アリアリです!って、なぁ」

「また、それですか。聞きましたよ、親父に」

「おぉ、先輩にな!喜んでたろ?懐かしい〜、って?」

「『知らねぇ』だそうです」

「あぁ、それはだな、ぺ君。キミのパパは、話したくないんだな、キミと」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、そうきましたか?」

「そう、『若〜い嫁もらいやがって、羨ましいじゃねぇかよ』と、嬉しいさ余って、

ねたんでる。いわゆる、ネタンデルタ〜ル人症候群だな」

「社長、妄想はそのへんで、おお!!デタ!!

「ビックリ合わせじゃない!?完璧な合わせ!!」

「ヒャッホ、ヒャッホ〜」

「ほい、すくえましたよ」

「アッザァ〜す」

「30cmです、社長」

「いいんじゃね、先ずは、1匹。で、ルアーは?」

「はい、ライフベイトのウッドバズです」

「お見事でした」

「はい、八郎が効いてますよ、あんなに釣れましたから」

「そうだわ、3年分は釣ったよねぇ」

「はい、楽しかった上に、いい練習にもなりました」

「コッチじゃ、ああはいかないからなぁ、『デタ!あっ…』『またビックリ?』で、その日は終了…だもんねぇ」

「ウゥゥゥ、言い返せない、リアルすぎて」

「行った甲斐、あったジャン!成長したわけだ」

「ですかね…」

「ですよぉ〜。楽しくバスが釣れるから、秋田まで行く。で、泊まっておみやげ買ってぇ、」

「社長、また話が」

「あぁ、こっから大事なんだよ、ぺ君!」

「はぁ…?」

「買うだろう、おみやげ?」

「はい、当然です!」

「そこ!泊まる、買い物する、ガソリン入れる、他にもあるだろ」

「はい、コンビニ、夕飯、とか、ですよね」

「それ!地元にお金落としていく!」

「貢献してますね、俺たち。バス様々です」

「はい。安倍ちゃんの成長戦略の一環として、再考してもらいたいね」

「……zzzzzz」

「こら〜!寝るなぁ〜」

 

「あそこ、ヤルか?」

「絶対ポイントですよ」

 

 

「呼んできてくれ!ジャイアント・ドッグX君、エイッ」

シュッポ

「おお!吸い込んだ!鯉?」

「社長、バス、バス!」

「釣れた。嬉しいね。大きさはぺ君並みだけど」

「はい、31cmです」

「やった!1cmデカイぞ!!」

「これからっス!まだまだポイントだらけっスから」

 

あとがき

「ぺ君、起きろ!帰るぞ!」

「ァァァァ、ゥゥゥゥ…なジェ?ゥゥゥ」

「たわけ!寝ぼけてねぇで、空見てみ!」

「ゲゲ!上がりましょッ!!」

「だろ、ドバ〜っと、降ってくるぞ」

「はい、鉄舟〜」

 

「危機一髪!でした」

「まったく」

「寝てたのに、よく気づきましたね?社長」

「ほれ、木の下で寝てたろ」

「ええ、唯一の日陰です」

「顔に、パラパラ落ちてきたのよ、葉っぱやら、ゴミやら」

「ああ、社長はいつも、顔面ノーガードですから。日サロの代わり!?」

「そう…んなわけねぇ!気分的にさらした方が、開放感あるだろ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、シミシミ顔になりますね」

「もう遅い!でぇ、冷んやりした風が吹いてて、『ヤバイ!』と、なったわけだ」

「いやはや、良かったです。ずぶ濡れにならずで」

「まったく。面倒だからね、濡れると。着替えるのは当然だし、道具もドロンコになるし」

「よッ!さっすが、雨男!」

「それは、君だ!ぺ君」

「ハハ、否定しません。社長のが移りました」

「梅雨だからサァ、しょうがねぇよな。むしろ、もうチョイ、降ってくれた方が」

「ですねぇ。空梅雨っぽい」

「まずいね。そういう年は、暖冬小雪なんだってよ」

「アヒャヒャヒャヒャ〜、社長、危機迫る!!」

「オメェもだろ?滑走部、2人っきり」

「たまに、部長が、それでも3人」

「釣りもな。来週から、また一人遊びだし」

「ソロ活動っスね」

「はい、満喫中ですよぉ〜」

「居直りましたね、たまに、俺がきますよ」

「おお、嬉しいよ、頼むよ」

「みなさん、時々は社長と、遊んでやってください」

「可能であれば、女性が」

「有り得ませんね!社長ですから、アヒャヒャヒャヒャ〜」

ドスッ!!

「ウウウウウ…きょう初の…?」

「下突きだ。ボディアッポーか?」

「アヒャヒャ、違うような」

「来週は渓流、楽しみだよ、これも!のお、ぺ君?」

「ハハ、俺は、家に係留です」

「ウマイ!じゃあ、また来週〜」

「一人っきりで〜す、クマ注〜意で〜す」

「ヤバい!!お楽しみに〜」