ピロリロリ〜ン♪♪

あれっ!珍しい人から、メールが来た!

なになに、

『僕も月曜日休みです。釣り、ご一緒しませんか?バス、トラウト、どちらでも』

おお!吉報だね、こりゃ。早速返信せねば!

 

本日の登場人物


石綿さん

「てっきり、バスかと思いました」

「ガッハハハ!いいバス釣っちゃたんで、八郎までは渓流っス」

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「10数年ぶりッスか?ご一緒は」

「たぶん、そのくらいかと」

「到着でございます」

「意外に近かったような」

「そう感じてもらえるよう、チョイ踏んでみました、アクセルペダル」

「あぁ、運転が僕と似てて、いい感じでした」

「エッ、エッ〜!雑なんです?運転」

「はい、とても」

「思えないなぁ。物作りは、あんなに丁寧なのに…」

「僕のは趣味なので。時間も手間も、好きなだけ掛けられるので」

「ガハハハ、言われてみれば、そうですね。運転は『人を変える』とも、言いますしねぇ」

「はい?そうなんですか?」

「失敬!これは、オレの、勝手な言い分でした。それに、オレの場合は『そのまんま』って、よく言われるので、当てはまんないですね、ガハハハ」

「いえ、僕にはちょうど良いです」

「そりゃあ、なにより。じゃ、その調子で釣りも、いっちゃっいましょう」

「はい」

 

「うわ〜!石が大きいですね〜」

「でしょ。オレも、最初はビックリでした」

 

 

DSC_0480「ガンマン?ではありません。ジャック・デニスばりのウエスタンスタイル」

 

 

ウオッ!でたっ!魚がでた! けど…空振りかぁ。

8Xティペットが効いたな。後攻者なので、渋目の設定です。

「あれッ!?石渡さんの竿が、スゲェ曲がってる!」

 

「ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ、やりましたねぇ、良いヤマメじゃないですか…、あれ?ニジマスだ!」

「はい。すごく引きました」

「ですよね〜川のですから。ヒョイと見たら、メチャメチャ竿が曲がってたんで、急いで上がって来ました」

「僕は、やりとりが精一杯で、気がつきませんでした」

「ニジマスもいるとは…」

「ジャック・デニスばりです」

「どなたですか?その方は」

「アメリカのフライフィシャーマンで、ウエスタンな方です」

 

 

「あそこで折り返しですね」

「そうっす。大堰堤の下で、結構ライズしてますから」

「それはまた、楽しみな」

「なので、先に、飯休憩しちゃいましょう」

「はい。アタリがポツポツあったので、暑さ忘れてました」

「そりゃヤバイです。日陰でチョイと休みましょう」

 

「気持ちいいですね、涼しいし、風景も」

「はい。獣が出そうでもありますが」

「はい」

「眠くなるんですよね、こういう時。そうなる前に、チャチャっと釣っちゃいましょう」

 

 

「うぉ!ヒクヒク〜」

プチッ!!

「あっ!切れた」

「大きそうでしたね」

「たぶん、ニジですね。オレのティペットは8Xなんですよ」

「えっ?そんなに!」

「はい、渋めで。また結び直すので、この辺やってみてください」

「はい、では」

 

「あっ!」

「バレましたか?残念!ニジでしょうか?」

「はい」

 

 

「釣れました、イワナです」

「#12のスペントフライです」

「あっ、結構流れてました、そんなのが」

 

「おお!いるいる子山女魚たちが。デッカくなれよ〜!!」

「って、写ってねぇし。でも、いっぱいいました。」

 

あとがき

「お疲れ様でした。いかがでしたか?本日は」

「はい、ありがとうございました。十分楽しめました」

「そこですよね〜。釣ってない、オレが言うと、負け惜しみみたいですけど」

「すみません。いっぱい、譲ってもらっちゃって」

「いやいや、そんな事はありません。アタリは、そこそこありましたし、2匹バラしてるんで」

「そう言っていただけると、楽になります」

「先週釣りましたから。それに、来週もあるし」

「はい。一ついいですか、聞いても?」

「はは、なんなりと」

「派手なリールですよね」

「あっ!これね。よく言われます」

「あれ!エーベルなんですね」

「はい、実は。『エーベル?なんでこんな色の買うかね?』って、言われます」

「僕は、いいと思います。似合ってますし」

「おっ!ありがとうございます。初めててですよ、褒められたのは」

「いえ、褒めたわけでは。ただ、似合うかな、と」

「やっぱり。まぁ、本人は、たいそうな、お気に入りなんで」

「それなら、良いじゃないですか」

「はい。で、調子こんで、こんなのも」

「はぁ?」

「ポリカーボネート製なんですよ、透明な」

「普通はそうですね。軽くて丈夫な素材とか」

「です。マジック塗りしてみました、エーベル調に」

「はいっ!?」

「この透明な感じが、良いかと。並べて見ると、ほら〜」

「ハァ〜」

「ダメだなこりゃ。オレはお気に入りで、管釣りで使ってます」

「なら、問題ないですね」

「はい。お気に入りです。オレも質問です。本日のフライは?」

「はい、12番のスペントフライと、10番のカディスでした」

「ハイッ?デカイですね。オレなんか、16番のパラシュートで、最後は、18番のCDCですよ」

「大変じゃないですか、小さいフライは。巻くのも結ぶのも」

「はい、たいへんです。が、16番は、極普通の大きさじゃないですか」

「いえ、僕には…ちょっと…。きょうは、ちょうど良い大きさの虫が、流れていたので良かったです」

「流れてはいましたけど、食われては、いませんでしたよ」

「はい。そこがまた面白いですね」

「確かに!そこを踏まえて、来週また来ますよ」

「羨ましいです」

「いやいや、オレは月曜ですけど、石綿さん、水、木、休みですよね」

「はい」

「じゃ、オレより前に、来られるじゃないですかぁ。車も山仕様に変わってるし」

「はい、では、そのように」

「です。ンじゃま、帰りますか、途中イブニングやりながら?」

「えっ!?やるなら、付き合いますけど?」

「すみません、無理っス。弱っちくなっているんで、近頃」

「いえ。とてもそんな風には、見えませんでしたが」

「あっ、そこは根性で、持ちこたえました」

「はい?こ、根性?ですか?」

「はい、今時言いませんよね」

「昭和な感じです」

「バリバリな。『巨人の星』世代ですから。歌いながら帰りましょう『♪想い〜こんだ〜ら試練の道を〜♪』」

「…」

「あれ?『あしたのジョー』の方が好きです?」

「…」

「あぁ、じゃあ、80’ロックでも聴きつつ、帰りましょう」

「はい、ぜひ」

「ですよね。じゃあまた来週〜」